4月、家族3人で沖縄に3泊4日の旅をしてきました。今日はその旅の話と、「アウトプットしっぱなしの経営者が、意識的にインプットを枯渇させない方法」というテーマで書いてみます。
子供がまだ小さいので、選んだのは美ら海水族館のすぐ隣のホテル。プール、プライベートビーチ、子供が水と仲良くなれる場所。水族館に飽きたらすぐ宿に戻れる立地、というのが今回の優先順位でした。子連れ旅の鉄則は「移動を最小化、選択肢を最大化」です。
もうひとつ、私は旅先で必ず「いつもと違う車」を借ります。沖縄はレンタカーの車種が異常に充実していて、サイトを眺めているだけで楽しい。今回選んだのはランドクルーザー。これが想像以上にデカくて、しょっぱなから日常が切り離される、いい体験になりました。
ランドクルーザーを選んだ理由、デカい、デカい
私は旅先で、いつもと違う車を借りるのが好きです。京都ではミニ、北海道ではアウトドア寄りのSUV、ハワイならコンバーチブル。沖縄はとにかく選択肢が多くて、レンタカー会社のサイトを眺めているだけで楽しい。
今回はランドクルーザーにしました。鍵を渡されて駐車場に出たら、想像より大きかった。「めっちゃデカい」と声に出てしまった。乗り込むのに、まずちょっとよじ登るような感覚。運転席に座ると、目線が普段の車より明らかに高い。フロントの長さも、両サイドの幅も、いつもと違います。
確かにかっこいいし、運転もしやすい。ただ、デカい。狭い道で対向車とすれ違うとき、ちょっと冷や汗が出る。スーパーの駐車場で枠に入れるのに、何回か切り返しました。これを都内で乗ろうとはあまり思えません。
沖縄でちょうどいい。広い道、広い駐車場、広い空。目線の高さで海岸道路を走っていると、地表からちょっと浮いて移動している感覚になる。それだけで、旅の最初の数時間が、ちゃんと「日常からの切り離し」になりました。
美ら海の隣で、子供と海の練習
ホテルからは美ら海の海岸線が見渡せます。窓を開けると、波の音がそのまま部屋に入ってくる。
プールに入って、プライベートビーチに降りて、波打ち際で水を触って、また砂浜に戻る。子供にとってはこれだけで一日が終わる。同じ動作を何度も繰り返して、まったく飽きません。
美ら海水族館は、隣だから当然行きました。ジンベエザメの大水槽は、何度見ても圧倒される。ガラスの前にベンチがあって、座って見ていられるようになっているのが親切。子供は20分くらい同じ位置から動きませんでした。
ジンベエザメの水槽の上の階に、海洋関係の研究展示があるのですが、ここは意外と空いていて、ゆっくり見られます。水族館は「水槽」だけが見どころじゃなく、解説の作り込みも勝負所。コンテンツの厚みは、目立つ部分の裏にこそ宿るんですよね。
願わくば、こういう海を見ながらゆっくり読書がしたい。けれど、子育てと仕事と、そういうわけにはなかなかいきません。
1日だけマリンスポーツ、4月の海はめちゃくちゃ寒い
1日だけ子供を保育サービスに預けて、夫婦でマリンスポーツに出ました。
「4月でも全然行けますよ」と聞いていましたが、結論から言うと めちゃくちゃ寒かったです。笑。ウェットスーツを着ていてもしっかり冷える。海から上がると、風が体温を持っていく。沖縄の4月を舐めてはいけません。
それでも、海の色は東京湾とは別の生き物。透明度が違う、青の階層が違う、岩場のサンゴ礁の周りには信じられないほど多くの魚が群れている。寒さを差し引いても、入る価値はありました。
戻りの船の上で、温かいお茶をもらいました。これがなぜか異常にうまい。日常では絶対に「お茶うま」とは思わないけど、寒さと緊張のあとに飲むと、体に染みる。「コントラストの体験」って、こういうところで効きます。
沖縄の食、移動の途中で
ランドクルーザーで移動する途中、何回か食事をしました。
沖縄そば、ステーキ(沖縄のステーキ屋は深夜まで開いていることが多い)、アグー豚のしゃぶしゃぶ。観光客向けの店もあれば、地元のドライブインみたいな店もある。基本は地元の店を狙います。
国際通りは正直言って観光化が進みすぎていて、私はあまり好きじゃない。それより、北部のドライブインや、民家の一階を改装したような小さな食堂のほうが、当たりが多いです。
あと、市場で買った沖縄のフルーツが思ったより美味しかった。マンゴーは時期じゃなかったけれど、シークワーサーやパイナップル、島バナナ。バナナはホテルで子供が3本くらい食べていました。
夜は子供を寝かしつけてから、PCを開く
正直に書くと、この旅行は仕事的に忙しい時期に重なっていました。
夜、子供が寝静まったあと、ベッドサイドの灯りでPCを開く。23時から深夜2時くらい。Slackを追って、メールを返して、翌週の経営会議のメモを整理する。
完全にオフにする選択肢もありましたが、それを選びませんでした。経営者として動いている以上、48時間の連絡断絶はリスクが大きい。それに、夜の3時間でこなせる仕事を「旅行中だから」と先送りすると、東京に戻ってからの月曜日が地獄になります。
むしろ「日中は完全に家族時間、夜は3時間だけ仕事」のリズムのほうが、自分にとってはストレスが少ない。完全オフを目指すと、戻る時の心理的コストが高い。これは個人差があると思いますが、私はハイブリッド派です。
経営者にとっての、インプット問題
夜、ベッドサイドでメールを書きながら、ふと考えていました。
経営をしていると、ずっとアウトプットしている状態になります。判断、メッセージ、資料、面談、決裁。気づくと、自分の中の「使えるアイデアの在庫」が枯渇してくる。
だから、無理にでも時間を作ってインプットしないといけない。こういう旅で、強制的に気付かされます。
インプットはビジネス書だけじゃない。仕事と無縁そうな人と話す、見たことのない景色を見る、自分の手と体を動かす、子供の動きを観察する——これら全部がインプットです。同じ角度のインプットばかりだと、出てくるアウトプットも同じ角度になる。経営者として「同じ判断パターン」に陥らないために、インプットの種類を意識的に増やす必要があります。
今回の旅で言えば、ランドクルーザーで走った海岸線、ジンベエザメを見続ける子供の集中、4月の海の冷たさ、戻りの船の温かいお茶。これらは全部、しばらくの間、私の判断の基底に流れていきます。
深みのある人間で居続けるのは、難しい
「深みのある人間で居続ける」というのは、思っていたよりずっと難しいことです。
20代のころは、放っておいても新しい体験が向こうから来ました。仕事の現場が新鮮で、出会う人がみんな新しくて、勉強しないと追いつかない緊張感があった。
30代以降、同じ状態を維持するには、意識して入力を増やすしかない。ルーティンが回り始めると、「明日も同じ」が成立してしまう。それが楽な反面、人間としての厚みは止まります。
経営者は特に、組織内では「答えを持っている人」として扱われがちです。だから「自分が分かっていない領域」に意識的に踏み込まないと、思考の深みが止まる。今回の旅は、そのインプットの種類を増やす行為でもありました。
帰りの便で、ノートPCをまた開きました。
海風がまだ少しだけ手の甲に残っているうちに、東京の仕事に戻ります。さて、来週から、また少し違う角度の判断ができるかもしれません。
経営の壁打ち、30分から
Haltrow Capitalでは、初回30分のヒアリングを無料で実施しています。 経営の悩みごと、整理してみたいテーマがあれば、気軽にどうぞ。
30分ヒアリングを申し込む →