8月、家族でリゾナーレ熱海に2泊の旅をしてきました。今日はその旅の話と、「リゾートのサービス設計から学べる、ビジネスのリスクヘッジ」というテーマで書いてみます。
東京から新幹線で40分。子連れで使うリゾートとして、ここは本当に完成度が高い場所です。何度行っても感心します。
今回は妻の希望で釣りを予約していました。が、当日の天気予報は雨。さあどうするか、というところから2日目の話は始まります。「雨でも成立する」という設計があるかどうか——これが、リゾートでもビジネスでも、満足度の差を分ける重要な要素なんですよね。
新幹線40分の近さ、行きやすさが正義
東京駅から熱海駅まで、新幹線で約40分。これは「リゾート」とつけて呼ぶには、ちょっと近すぎる距離です。
けれど、近いというのは、それだけで価値があります。週末に行ける、急に予定が空いても行ける、子供の体調が悪くなったらすぐ帰れる。距離が短いと、心理的なハードルが下がって、頻度が上がる。「年1回の特別な旅」より「年4回の気軽な旅」のほうが、累積で見ると幸福度が高い、というのが我が家の結論です。
熱海駅からホテルまでは送迎バスがあって、これも気が利いています。荷物を持って歩く時間が、家族旅行ではかなりのストレスになる。「駅からの導線」は、リゾートの満足度をかなり左右する要素です。
景色と、子供が遊べるスペースの豊富さ
リゾナーレ熱海の魅力は、立地の景色と、子供が遊べるスペースの豊富さに尽きます。
ホテル内には、子供向けの大型遊具、本に囲まれたライブラリー、雨でも遊べる屋内エリア。これらが料金内で使い放題。子供を放牧できる場所が複数ある、というのは、家族旅行では宝物です。
海水浴場までも近く、夏休みらしくしっかり混んでいました。子供と砂浜で遊んで、海に少し入って、水を触って、また砂に戻る。子供にとっては、海はそれだけで一日中遊べるテーマパーク。
私はその横で、ぼーっと水平線を見ているだけで満足でした。人混みの中でぼーっとできるのも、リゾートのリズムに身を委ねているからです。
独立した部屋で、子供を寝かしつけたあとの一杯
今回ありがたかったのは、部屋の構造です。一部屋を独立して仕切れるタイプで、子供を寝かしつけたあと、隣の部屋で大人がゆっくりできる。
夕食のあと、子供が寝たら、隣の部屋に移ってグラスでお酒を一杯。窓を開ければ、海風と波の音。これだけのことで、ちゃんとリフレッシュできるんですよね。
子連れの旅で「親の時間」をどう確保するかは、宿選びの大きな基準です。同じ部屋で全員が寝ていると、親はそっと息を潜めて過ごすしかない。隣の部屋があるだけで、親の自由度が一気に上がります。
妻と「あの件、どうする?」みたいな話を、ぽつぽつとしました。家ではなぜか後回しになる話が、こういう時間に進む。経営の話も、ちょっとした投資の話も、酒と海風があると不思議と前向きにまとまります。
雨予報の釣りでも、苦労してアジと鯛
2日目は釣りを予約していました。が、当日はあいにくの雨。
雨合羽を着て、桟橋から釣り糸を垂らす。寒いし、視界も悪いし、ぜんぜん釣れない時間が続く。子供のテンションは天気に左右されないのが救いで、ずっと「釣れた?」「釣れた?」と聞いてきます。
30分、1時間、まったく当たりがない。これは坊主かな、と諦めかけたところで、急に竿がしなりました。アジ。続いて、もう一度ヒット。今度は鯛。
苦労したあとの食事は美味しい。釣った魚をその場で調理してもらって、夕食の一品になる。子供が「自分が釣った魚」と説明しながら食べる姿は、その場で釣ったからこその満足感です。
ここがリゾナーレの強さです。天気が悪くても楽しめる選択肢を用意している。「晴れの日の主要プラン」だけだと、天気で全部が崩れる。複数のプランがあるから、雨でも雨なりに過ごせる。「リスクヘッジ」は、こういうところに現れます。これは経営にも完全に同じ話で、「メインシナリオ1本」より「メイン+雨天時の代替案」を持っている事業のほうが、長く続きます。
ホテルのバイキング、味のクオリティが下がらない
リゾナーレの食事はバイキング形式ですが、一品一品のクオリティが下がりません。
地元の魚を使った前菜、その場で焼いてくれる肉、寿司カウンター、デザートのバリエーション。ライブキッチンで作られる料理は、見ているだけで楽しい。
子供向けの食事も豊富で、これがあると親が自分の食事に集中できる。地味な要素ですが、子連れバイキングでは決定的な差になります。
デザートでつい食べすぎて、夜の散歩でちょっと歩く。これも毎回のパターンです。
MOA美術館、海が見える石庭
ちょっと足を伸ばして、MOA美術館にも行きました。リゾナーレから車で10分くらいです。
庭園から海が見える。普段、石庭は山や森の中で見ることが多いので、海をバックにした石庭はちょっと新鮮でした。「ありそうでない組み合わせ」って、提供する側のセンスが出る部分です。
館内の展示も良かった。茶器、書、屏風。一つひとつをじっくり見るには時間が足りないくらい。子供は「動かないモノ」にはあまり興味を示さないので、ロビーのソファで絵本を読んでもらいながら、大人だけで30分回りました。
ロビーの椅子から海を見ながら、館内の展示を思い返す時間。これがちょっとした贅沢です。
リゾナーレ、サービス設計の見本市
リゾナーレ系列は、毎回行くたびに完成度の高さに感心します。
ただ「いい立地」「いい食事」だけじゃなくて、動線、家族向けのアクティビティ、雨の日の選択肢、夜の演出、すべてが計算されている。スタッフの教育もよくされていて、子供への対応が自然です。
サービス設計の見本市みたいな場所。経営者として行くと、つい「これはどう設計しているのだろう」と分析モードになってしまうのですが、それでも純粋にリラックスできるのが、ここの底力です。「観察しても消費体験が損なわれない」というのは、サービス設計の最終形なんじゃないかと思います。
熱海から東京に戻る新幹線は、本当にあっという間でした。
近いリゾートも、いい。むしろ近いほど、頻度を上げられる。これが分かってからは、「年1回の沖縄」より「年3回の熱海」のほうが、家族の幸福度には効くと考えるようになりました。
では、来週の準備をしておきますか。
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