3月、家族で伊豆に2泊の旅をしてきました。今日はその旅の話と、「経営者が日々の判断の前に『観察する時間』を意識的に取り戻すべき理由」というテーマで書いてみます。
冬は終わって、まだ夏は来ていない、ちょうどいい季節。富士山、海、動物園、早咲き桜、温泉。短いけれど伊豆の良さが詰まった3日間でした。
旅の途中、伊豆シャボテン動物公園で「子供が動物をひたすら観察している」シーンを横で見ながら、経営者として失っているものに気づいた瞬間がありました。それを最後に書きます。
東名から伊豆へ、富士山を見ながら
東京を朝に出て、東名で伊豆を目指します。
途中、御殿場あたりで富士山が見えてくる。3月の富士山は、まだ雪を被っていて、青空とのコントラストが強い。
伊豆スカイラインに入ると、両側に山と海が交互に現れる。標高が変わるたびに景色が切り替わって、運転していて飽きません。
途中のサービスエリアで、伊豆の名物「黒たまご」みたいなものを買って、車内で食べる。観光地の食べ物は半分はネタみたいなものですが、それでも楽しいです。
見晴亭から、海越しの富士山
途中で寄った「見晴亭」というレストランから、海越しに富士山が見えました。
富士山は、近くで見るより、ちょっと遠くから「あそこに見えるな」というほうが、なぜか得した気分になります。海と富士山という組み合わせは、ほぼ反則ですね。
ご飯を食べながら、富士山を見ながら、海を見る。春先の伊豆ならではの贅沢です。
店内のメニューも、地元の魚を使った定食が中心。アジフライ、金目鯛の煮付け、伊勢海老のお造り。観光地価格ではありますが、味は確かでした。
テラス席に出て、しばらく富士山を見ていました。子供は早々に飽きて、レストランの中に戻ってしまいましたが、私と妻はもう少しそこにいました。
この日、もう一箇所、似たような展望ポイントに寄りました。少し移動するだけで、また違う構図の海越しの富士山が見える。江の島方面の対岸が見渡せる位置で、窓枠で切り取られた富士山の絵がよかったです。
海が窓の正面に来る宿
泊まったのは、海が窓の正面に来る宿。
波の音が一晩中BGMで、朝起きると最初に視界に入るのが海。これだけで宿の価値は十分あります。
都内のホテルは「窓を開けても景色が建物」のことが多い。マンションに住んでいても、たいてい正面に別のマンションが見えます。「視界に建物以外のものが来る」という贅沢を、こういう宿で味わう。
夜、子供が寝たあと、窓を少しだけ開けて、波の音を聞きながらお酒を飲む。これだけのことですが、東京では絶対にできない時間です。
宿の温泉、海を見ながら頭が空っぽになる
夜と朝、宿の温泉に入りました。
海を見ながら入る温泉は、特別です。湯の温度、外気の冷たさ、水平線の遠さ。これが揃うと、頭の中が空っぽになる。
子供と一緒に入ると、子供は最初は怖がるけれど、慣れてくると「もう一回」と何度もリクエストしてきます。温泉の魔力は、子供にも効くようです。
朝の温泉は、また違います。日が昇る方向を眺めながら、少し冷えた湯に入る。これで一日が始まると、その日の調子がいい。
伊豆シャボテン動物公園で気づいた、「観察を飛ばさない経営」
2日目は伊豆シャボテン動物公園へ。
ここは「カピバラの温泉」で有名です。冬から春先にかけて、カピバラたちが温泉に入って、ぼーっと湯に浸かっている。これは見る価値があります。動物が温泉に入っている、というシーンは、想像と現実の差で面白い。
動物との距離が近くて、子供が檻越しに動物をじっと見つめている。観察する時間というのが、子供の中で何か大事なことを育てている気がします。
「観察する」というのは、大人になるとなかなかできないんですよね。何かを判断したり、評価したりする前に、ただ見る。これは経営者にも必要な訓練だと、子供を見ながら思いました。
経営判断は、観察と分析を分けるところから始まります。観察を飛ばして分析に行くと、見えていないものを評価してしまう。データを見たつもりが、最初の前提が間違っていた——というミスは、観察パートを省略したときに起きます。
子供のように「ただ見る」時間を、もう少し意識的に持ちたい。会議の前に5分、現場を観察してから議題に入る、みたいな小さな習慣でも、判断の質はかなり変わるはずです。
伊豆の食、金目鯛と伊勢海老
伊豆の食事は、海の幸が中心です。
宿の夕食で出てきた金目鯛の煮付けは、別格でした。皮の照りと、身のほぐれ具合と、煮汁の濃度。家庭で再現しようとしても、なかなかこの味にはなりません。
翌朝の宿の朝食は、和定食。アジの干物、地元の野菜、温泉卵、ご飯。シンプルですが、素材の質が違うと、これだけで満足感が高いんですよね。
宿のロビーで売っていた地元のお茶(伊豆の茶葉)を買って、東京へのお土産にしました。
東京に戻る車の中で、シャボテン動物公園で動物をじっと見つめていた子供の顔を、何度か思い出していました。
観察を飛ばさない判断のリズムを、自分の中で組み直しておきたい——というのが、今回の旅で持ち帰った宿題です。
では、明日の朝の判断から、まず一拍だけ、観察の時間を入れてみます。
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